トップページ旅路の記


洞窟「クエバ・ロハ」


今日のお洗濯は午後にすることにして、さて、それまで何をしようとGoogle Mapをのぞいたら、ホテルからあまり遠くない所に洞窟を見つけた。「赤い洞窟」を意味する「クエバ・ロハ」という地名が住宅街のすぐそばに表示されていた。どうくつ・・・またしてもダンジョンRPGファンの血が騒ぐ。路面電車を使えば歩く距離が短くて済むとわかり、さっそく水筒に水を詰めて出かけた(やくそうは・・・おっと、独り言)。

「サンタ・クルス」もくじ


洞窟へ

路面電車に乗る機会はないだろうと思っていたので、乗り方を調べていなかったが、迷うことなく券売機でクレジットカードで切符が買えた。均一運賃で、大人片道1.35ユーロだった(225円)。

乗車時に、読み取り機で切符のQRコードをスキャンして改札する。駅によっては、降りる前に扉の降車ボタンを押す必要があるようだ。

↑路面電車「トランビア・デ・テネリフェ」。ホテル最寄りのフンダシオン駅近く。

↑洞窟最寄り駅、プエンテ・スリータ。

↑時刻はちょうど午前9時。プエンテ・スリータ駅でGoogle Mapを開き、目的地を確認した。徒歩29分だって。

↑駅を出るとすぐに登り坂になり、10分近く歩き続けて息が切れかかっていた。このカーブの先がもっと大変とは予想もしなかった。

↑ガードレールにもたれてひと休み。

↑え"〜、ここ登るのぉ!?階段は上りも下りも苦手なのに。とほほ。

階段をよたよたと這い上がってくるよそ者の気配を察したワンコが、少し先の家の中でワンワン吠え始めた。「ごめんなさい、ごめんなさい、決して怪しいモンじゃありません、洞窟を見たいだけです、通してください、ワンコさん」と念じたのが通じたのか、それとも飼い主さんになだめられたのか、ほどなくしてあたりは再び静寂に包まれた。

↑ぜぃぜぃしながら振り返る。狭いながらも道路名が付いている、れっきとした公道だ。

慣れない長い急階段ですっかりくたびれてしまったが、住宅街のはずれで目の前に広がった風景に、疲れなんてたちまち吹き飛んだ。

↑写真で見たアフリカのどこかみたいだ。

クエバ・ロハ

住宅街から車道に出て見上げると、赤っぽい色をした崖と大きな穴が見えた。目的地のクエバ・ロハだった。なるほど、赤い(Roja)洞窟(Cueva)だ。

案内板によると、1930年前後に近隣の集落の住宅用建材として岩が切り出され、このような洞穴になったそうだ。入り口や天井に、道具で切り出したような跡がたくさん残っていた。



↑手前(北)と奥(南)の2か所、穴が開いている。


↑南の穴の脇に案内板が立っている。スペイン語、英語などで解説が書かれている。

↑南の穴の階段を下る。

↑右手の壁面のギザギザは、建材用の岩を切り出した跡だろう。

↑階段と南の穴を振り返って。

クエバ・ロハの上へ

案内板の「もう少し登れば素晴らしい景色が見られますよ」のお勧めに従い、粗削りの階段を登った。ロープの手すりが付いている所もあるが、たいていは踏み固められただけの山道だった。住宅街の階段での筋肉疲労がまだ尾を引いていて、バランスを崩さないよう足元に神経を集中しながら進むのがやっとだった。

↑山道入り口

↑後ろを振り返って。道が険しくなってきた。

↑ますます険しくなる。

登り坂が一段落すると、案内板にある通りの素晴らしい眺めが広がった。サンタ・クルスの街と大西洋が一望できる。よく晴れた日にはグラン・カナリア島も見えるそうだ。



↑目がくらんで転がり落ちそうなので、そっとしゃがんでもう一枚ぱちり。

山道を見上げると、まだ上へ上へと続いていた。風に揺れる草の向こうに山頂が見える。もう少し登ってみたい気持ちもあったが、転がり落ちないうちにと、下山を決めた。

↑下りもかなりコワかった。

小路

住宅街の階段とクエバ・ロハの前の車道とは小路で結ばれていた。小路は階段と同じくすれ違うのもやっとくらいの幅だ。家屋はもちろん、公の道であるこの通りも手入れや掃除が行き届いているのに感心しながら歩いた。

小路の両側はやはり住宅の壁が迫っている。いかにも南欧らしいパステルカラーの壁に混じって、家主さんの趣向の詰まったユニークな壁もあり、建物が迫って薄暗くなりがちな小路も楽しい場所に感じた。







「サンタ・クルス」もくじ


トップページ旅路の記