
シントラ 2
〜ペーナ宮殿、レガレイラ宮殿〜
Sintra #2
Palácio da Pena and Quinta da Regaleira
ムーアの城跡を見学したあと再び周遊バスに乗り、山の上のペーナ宮殿へと向かった。
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ペーナ宮殿 Palácio da Pena
シントラを見下ろす山の上に小さな礼拝堂があった。マヌエル1世はこの場所が気に入り、修道院を建てた。落雷とリスボン沖で起きた大地震が相次いで修道院を破壊したが、礼拝堂はほぼ無傷で残ったという。
19世紀半ば、この地に感銘を受けたフェルナンド2世は周辺一帯の土地を買い取り、修道院を王室の別荘に造り替えた。のち、数人の王族を経て所有者が国に変わり、ペーナ宮殿は国の史跡に指定されて博物館となった。
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↑にぎやかな雰囲気のペーナ宮殿。単一の建築様式ではなく、ゴシック、マヌエル、イスラーム、ルネサンスの各様式が入り混じる。 |
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↑窓を飾るトリトンの像。魔除けでもおかしくない怖い顔だ。真下から見上げるともっと怖いぞう。 |
小休止
ムーアの城跡とペーナ宮殿を見学して下山し、シントラの街のカフェ「ピリキータ」を目指した。街の中心の、坂道をほんの少し上がった所に、黄色いタイルの看板が下がっている。古くからシントラで作られている小さなチーズケーキ「ケイジャーダ」で有名だが、自家製パンのサンドもおいしかった。
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↑ケイジャーダ。「ケイジョ(チーズ)のお菓子」という意味だが、製法によるらしく、チーズの味はほとんどしない。よく焼けたフタのようなてっぺんが、わずかにチーズの香りがする。 |
レガレイラ宮殿 Quinta da Regaleira
20世紀初め、ブラジルの貿易商カルバーリョ・モンテイロが入手し整備した別荘で、今は博物館となっているレガレイラ宮殿を見学した。街の中心から歩いて15分ほどの距離だ。「レガレイラ」とは、かつて、やはり別荘として所有していた男爵夫人の名前だそうだ。
緑濃い敷地には、邸宅のほか礼拝堂、小塔、泉、池、天然の洞くつが点在する。小道が迷路のように入り組み、何度も同じ場所を堂々巡りしているような気分で、塔などの目印を見失うと迷子になりそうだった。この不思議な庭は、天空世界をイメージして作られたといわれている。
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↑レガレイラ宮殿からムーアの城跡を望むーあ。ダジャレも口を突いて出る絶景なのだ。 |
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↑レガレイラ宮殿 |
シントラ駅へ
帰りはバスに乗らずに、街からシントラ駅まで歩いた。15分ほどかかったが、ずっと下り坂で歩道も広く、歩きやすかった。シントラ国立宮殿(王宮)やムーアの城跡もよく見え、最後まで観光できてちょっと得した気分だ。
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↑途中、水色のタイルで囲まれた泉がある。地図には'fonte'(泉)とだけ書かれている。「飲めません」との注意書きがあるが、地元の人らしいおじいさんがペットボトルに水を汲んで持ち帰っていた。立派な囲いだし、何か言い伝えでもあるのかな。 |
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↑シントラの街のレプブリカ広場に面して建つ、シントラ国立宮殿。残念ながら、時間が足りなくて見学できなかった。外壁に足場が組まれ、大がかりな修復作業が行われていた。2本のツノのようなものは台所の煙突だそうだ。料理の量も多かったんだろうね。 |
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